安勝引退

今週は残念なこのニュースを取り上げないわけにはいきません。安藤克己騎手の引退です。笠松競馬でオグリキャップの主戦でもあり、中央と地方の垣根を破った男です。とにかく勝負強く、戦略がある騎手でした。

まず衝撃を受けたのが、4歳牝馬特別のライデンリーダーの騎乗。芝でこういう騎乗ができる騎手が地方にいるんだ、とはじめて認識したレースです。

ライデンリーダー_4歳牝馬特別

その後、中央入りしてからすぐにビリーヴでG1制覇。翌年にはキングカメハメハ日本ダービーを制覇。この馬はNHKマイルCとの変則二冠馬になりました。ダービーは現地観戦しましたが、ハーツクライをおさえて圧勝。強い競馬でした。

キングカメハマハ_日本ダービー

あとは印象に残っているのは菊花賞ザッツザプレンティの騎乗。以前から長距離は騎手、という定説はありましたが、まさにその典型。2冠はいまいちな内容だったこの馬を見事な騎乗で菊花賞馬にしました。スズカマンボ天皇賞春もそうですね。

ザッツザプレンティ_菊花賞

そして忘れてはいけないのはダイワメジャーダイワスカーレットの兄妹。特にダイワスカーレットウオッカの名牝同士の死闘は今後も語り継がれるでしょう。特に強かったのは有馬記念牝馬でグランプリを圧勝で制覇。この馬はたしかに強かったですが、安勝あってのものでしたね。

ダイワスカーレット_有馬記念

そしてブエナビスタ牝馬クラシックで桜花賞オークスを制覇。秋華賞は残念でしたが、この馬をその後の古馬まで成長できたのはこの時期に上手く騎乗したことが大きかったと思います。

ブエナビスタ_桜花賞

その後に続いた地方騎手の中央入り、外国人騎手の台頭など、この人がいなければ騎手がここまで注目されなかったと思います。中央の騎手はまだまだ甘いです。これからもこういう素晴らしい騎手が出てくれることを願います。